医師として働く中で、よく看護師さんや薬剤師さんから、
「この用語ってどういう意味ですか?」
とよく聞かれます。
正直、医者のカルテって略語を使っていたり、最小限の情報しかないので、その患者さんの病状がどうなのか、よくわからないことってありますよね。
すみません。汗
医師が割とよく使うけど、説明が難しかったり(普段の診療では時間がないため)、
なかなか本で調べても出てきにくい、わかりにくい用語についてまとめてみました。
以前の記事で造影CTと予後に関する研究を紹介していますので、
ご興味のある方はそちらもご覧ください。
この記事が少しでも皆さんの理解の助けになれば幸いです。
- dynamic(ダイナミック)造影CT:
- 造影剤を使ったCT検査で、時間をずらして撮影したもの。
- カルテには単にCE-CT(contrast enhancement-CTの略)などと書かれることが多い。
- 時間をずらすことで、造影剤が体内に分布する“動き”が見えるので、dynamicCTと言われる。
- 動脈のタイミングと静脈や臓器が映るタイミングなど、複数のタイミングで撮影することで、内臓の血流の評価(十分な血液が流れているか評価)をすることが可能に。
- HU ; Hounsfield Unit(ハンスフィールドユニット):
- CTは白黒画像で、HUが高いほど白く、HUが低いと黒くなる。
- 各臓器のCTにおける色の濃さのことがCT値、その単位がHU。
- 例えば、骨なら1000HUを超えるし、脂肪はマイナスのCT値をとる。
- 造影効果あり:造影剤により白く色が変化している部分のこと。
- 造影剤は血液によって運ばれるため、「白く変化している=血液が通っている」と判断できる。
- 消化管出血や脳出血、動脈瘤の検出などでよく使われる。
- 逆に、造影効果がない、または造影不良という場合は↓
- 造影不良域:通常と比べて、造影剤による染まりが悪い(=白く映りにくい)領域のこと。
- 造影CTでつかう造影剤は、CT画像で白く移る。
- 各臓器ごとに、造影剤が入っていく程度には差がある=コントラストがつく
- 血液の巡りが悪いと、造影剤も臓器に届くまで時間がかかる
- 結果、造影剤による染まりが悪くなる = 造影不良な領域ができる
どうでしょうか。
これらの用語は、医療現場で頻繁に使用されますが、忙しいのにわざわざ医者に聞きにくい、、詳細を理解することが難しい、ことも多いですよね。
もしもこの記事が明日からの業務の役に立てれば幸いです。
また、もしもこの記事をご覧になった方で、消化器関連の用語でわかりにくいものがあれば、解説記事を作っていこうと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
おわり
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