前回は患者さんを診察室に入れて、”What brings you in today?”と主訴を尋ねるところまでをご紹介しました。
今回はその答えを受けて、現病歴を深掘りしていく問診の場面です。
痛みの問診で有名なのが皆さんごぞんじ OPQRST です。
Onset(発症)、Provocation(増悪寛解)、Quality(性状)、Region(部位)、Severity(強さ)、Time(時間経過)の頭文字。これに沿って聞いていけば、漏れなく必要な情報が集まります。問診の基本中の基本ですね。
場面1|まずはオープンクエスチョンで切り出す
自由に語ってもらう
最初から細かく質問せず、患者さん自身の言葉で話してもらいます。
“Tell me more about your pain.”
“Can you describe what happened?”
急かさない一言として “Take your time.” も覚えておくと安心です。
また、焦っている患者さんには落ち着いて話してもらいたいので、以下のフレーズも有効です。
“Please tell me what happened one thing at a time.” → 情報の整理を促す(ひとつずつ話してね)
共感の相づち
英語では沈黙より相づちが好まれます。
“I see.” / “Mm-hmm.” / “That sounds really painful.”
患者さんの語りを遮らないよう、短く合いの手を入れるイメージです。
最初の2〜3分は黙って聞く時間を意識的に作るだけで、診断の見立ての精度がぐっと上がります。OPQRSTは後からで大丈夫です。
場面2|OPQRSTで漏れなく確認する
O・P|いつから、何で変わるか
“When did the pain start?”
“What were you doing when it started?”
“Does anything make it better or worse?”
“Does eating make it worse?”
食事との関連は胆道系疾患を疑う上で外せないポイントですね。
Q・R|どんな痛みが、どこに
“Can you describe the pain? Is it sharp, dull, cramping, or burning?”
“Where exactly does it hurt? Can you point to it?”
指で示してもらうのが最も確実です。
S・T|どれくらい、どう変化したか
強さの聞き方は
“On a scale of Zero to 10, with 10 being the worst pain you can imagine, how bad is it?” が
NRS の定番表現。
時間経過は
“Is the pain constant, or does it come and go?”
と
“Has it been getting better, worse, or staying the same?” の2つでカバーできます。
数字でのスケーリングが難しい患者さんには Faces Pain Scale を併用しましょう。”Could you point to the face that best shows your pain?” と尋ねるとスムーズに伝わります。
まとめ|今日のキーフレーズ
切り出し:“Tell me more about your pain.”
O:“When did the pain start?”
P:“Does anything make it better or worse?”
Q:“Can you describe the pain?”
R:“Where exactly does it hurt? Does it spread?”
S:“On a scale of 1 to 10, how bad is it?”
T:“Is it constant, or does it come and go?”
まずはオープンに、それからOPQRSTで埋めていく — この順番を意識するだけで、問診の流れが自然になり、患者さんも話しやすくなります。日本語でも同じですね。
次回は、現病歴に続く既往歴・内服薬・アレルギーの聞き方をご紹介します。系統的問診をスマートに進めるコツを一緒に学んでいきましょう。


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