香港の使い捨てプラスチック禁止法が施行
環境問題を考えるうえで、プラスチック製品の大量製造・販売・使用と廃棄はとても重要なテーマといわれています。
先日の記事で「マイクロプラスチックが人体に悪影響を及ぼしうる」という論文を紹介しましたが、
人体への悪影響も昨今では指摘され始めており、地球全体で取り組むべき課題となっています。
HONG KONG FREE PRESS(HKFP)によれば、
今年の4月22日(アースデイ)にあわせて、
香港で使い捨てプラスチック製品の製造・販売・配布などが禁止になる法律が施行されたようです。
Hong Kong’s ban on single-use plastics begins, but businesses have 6 months to adapt
Hong Kong’s ban on single-use plastics begins (hongkongfp.com)
まずは第一段階(phase1)として、飲食のテイクアウト用の弁当の容器、スプーン、フォーク、ストローをはじめ、
さらにはホテルにアメニティとしての綿棒、歯磨き粉の容器、傘袋の製造・販売などが禁止になります。
phase2ではさらに耳栓やデンタルフロスなども2025年以降で禁止となる見通しです。
なお、アースデイというのは1970年4月22日に、当時スタンフォード大の学生、デニス・ヘイズさんがはじめた運動で、徐々に世界中に広まりました。
そして、ついに2009年には国連総会で4月22日は「国際マザーアースデイ」が制定され、環境について考える日になりました。
使い捨てプラスチックに関する世界各国・日本の対応は?
グリーンピース・ジャパンという国際環境NGOグリーンピースの日本支部のサイトhttps://www.greenpeace.org/japan/about-us-2/
によれば、
こういった法律は世界的に徐々に広まりつつあり、
既にイギリス、インド、フィリピン、アフリカ、フランス、インドネシアなどでも
使い捨てプラスチック製品の製造、販売などが禁止されているようです。
ご存じの通り、日本ではプラスチック製レジ袋の有料化が2020年から始まっています。
また、環境省のサイトを調べてみると、
2022年からプラスチック資源循環促進法という法律が施行されています。
これは企業や自治体に対して、プラスチック製品の有効利用、製造、分別収集やリサイクル方法などの指針を取りまとめた法律です。
しかし、これはあくまで努力義務ですので、違反しても罰則はなく、
アメリカに次ぐプラスチック大量消費国であることを考えると、対応に遅れが生じていわざるを得ません。
プラスチック製品規制ないし環境保護に対する運動、グリーンピースという団体についても実は今まで知らなかったので、とても勉強になりました。
課題:使い捨てプラスチック製品規制法の有効性評価は難しい
おそらく、現時点ではこの法案の有効性に関する決まった評価方法というものはないようです。
最も重要な評価項目は「環境への影響」だと考えられます。
つまり、CO2排出削減量、有毒ガスの排出削減量、海洋生物の誤飲死の減少数や漁獲量への影響などなど、、
本当に広範囲で多角的な視点が必要になると思われます。
しかし、だからと言ってこの法律や活動が意味がないというわけではありません。
今の子供たちが大人になるとき、せめて今のままの地球を残していきたい、というのは
多くの人の願いでもあるので、一つずつできることをやっていくことが大事です。
プラスチックは必ずしも悪ではない
プラスチック製品は削減すべき、などの文言が飛び交っていますが、問題なのは
「使い捨てプラスチックの大量生産・大量消費・大量廃棄」という点だと思います。
医療の現場でも、注射器や点滴のバッグなど、
感染管理や安全性の面からプラスチックではないといけないものが多く存在します。
必要最小限にとどめる、というのが最善策なのであって、
「プラスチック製品などなくしてしまえ」
という意見はやや短絡的なのかもしれません。
私は環境活動家ではありませんが、
環境問題は実は人体にも影響してくるので、こういったニュースについては今後も勉強を続けていこうと思いました。
いつか研究のネタになるかもしれませんし。
ただ、いろいろ調べた今回の知識は明日からの生活には役立ちますが、
明日からの診療には役に立ちませんね、、、笑
明日も忙しくなりそうなので、そろそろもう寝ます。
おわり
コメント