先日、医学部時代の同期と会った際に、
「自分の子供を医学部へ入れるために、親としてどうしたらいいのか?」という話になりました。
子供を医学部へ入れようと考えていませんでしたが、医学部受験も選択肢にできるような学力は身につけておいてもらいたい、とこどもの成長を見ていて最近感じています。
自分が受けてきた教育を振り返ることで、私自身の子供の教育方針について考えるきっかけにするだけではなく、皆さんの参考になれればと思い記事にしてみました。
今回は私自身が小学生だったときの自宅勉強の経験談です。
私自身は中学受験をせず、高校と大学受験をして医学部へ進学したため、参考にならない方もいらっしゃるかもしれませんので、あしからず。
小学校時代
まずそもそもこの時期に、「勉強が好きで自分からやる」という子供はほぼいないのではないでしょうか。私自身はこの頃には「将来はお医者さんになりたいな」と考えていましたが、勉強が好きだったわけではありませんでした。
医師になった今になったから振り返ると、小学校へ通っている時期でもっとも重要なのは、「勉強することが苦ではない」という意識を持たせることです。
いいかえれば、「教科書レベルの基本問題が解けるようになっている」、「勉強することを習慣化する」という2点が優先課題になるでしょう。
注意:私自身は中学受験をしていない
私の地元は比較的田舎だったので、学年で150人くらいいる中で私立中学へ進学するのは学年で数人程度というような環境でした。そのため、ほぼ全員が地元の小学校からそのまま中学校に進学していました。
中学受験をするのであれば、それなりに早く学習を進めて、志望校に合わせた学習法が必要だったと思います。
実際に使用していた教材:全家研「月刊ポピー」
私自身は、小学生の時期は「全家研 月刊ポピー」をやっていました。
ポピーは最近のホームページを見ていても、昔と変わらず学校の教科書に沿ってカリキュラムを進めていくようになっているようです。そのため、難易度としてはほぼ学校の学習と同じ程度。
ドリル形式が中心ですが、解説ページもわかり易いところが特徴です。また、余計な付録もついていないため、他の通信教育に比べ家計にも優しいというメリットがあります。
また、ポピーは親の介入もある程度は必要な点が特徴です。子供が解いた部分を、親が別冊の解答解説を使って答え合わせをする、という流れになります。
私の親が言うには、「解答解説の冊子につまづきやすいポイントや解説が詳しく書いてあったから、その通りに教えれば良かった」のだそうです。
教科書レベルとはいっても、中学校以降の勉強のすべての基礎になる部分ですのでしっかりと身につけなければなりません。
ポピーの有効な使い方:親子ともに根気は必要
私の場合、
①親がまず赤で丸つけをする
②間違えた問題でできたら青で丸つけ→その問題はクリア
③できなければまた❌をつける
といったように、「すべての問題ができるようになるまでやり直し続ける」というやり方でした。
1ヶ月以内にその月の教材が終わらなかった場合、翌月以降にそのタスクは持ち越しです。
❌がついたままの問題がある部分は、そのまま翌月になっても「青○がつくまで」ひたすらやり直し続けなければなりませんでした。
これは親にとっても子供にとっても大変な作業になりますが、この反復作業によって教科書レベルの知識が自然と定着しました。
特に苦手だったのは、算数だと掛け算の九九の7の段を覚えることを始め暗記もの、分数の計算でした。クラスで一番最後まできなかったこともあったし、親にも「なんでできないの!」と怒られ続け、悔しい思いをしたのを今でも覚えています。
しかし一方で、怒られながらも両親は勉強に付き合ってくれ、ある瞬間から急にできるようになったとき、本当に嬉しかったですし、「最初はできなくても、頑張ってやればできる」という達成感がありました。
当時の学習時間は?
小学生の頃は、「学年×10分」は最低でも勉強、1ヶ月分の教材を必ず終わらせる、という明確なルールがありました。 1年生の時は10分でしたが、6年生では1時間ということです。
勉強をやらない子よりは勉強をするが、中学受験をする子よりは勉強をしない、といったイメージでしょうか。
正直いって集中できずに終わる時も多かったのですが、これによって半ば強制的に「勉強は毎日しなければならないこと」という習慣づけはなされていたように思います。
当時の学力は?
前述したように、学校のテストはコンスタントに80-100点を取れていました。
そのため、勉強は学校の中では「どちらかというとできるほう」に分類されていたと思います。そのため、勉強が得意だとは思いませんでしたが、逆に「自分は全くできない」とも思っていませんでした。
おそらく、「平均よりかはできている」程度の学力があると良いのかもしれません。
親が勉強の面倒をみれない家庭には向いていない?
私の場合には親が丸つけと解説をしてくれていたのですが、仕事が忙しかったりで、必ずしもすべての家庭でできることではないかもしれません。解答解説をうまく使えるように、お子さんとよく相談して進める必要があるかもしれません。
ただ、通信教材はどれも問題と解答解説とが分かれていますから、ポピーも親の介入が難しいとしても、向いていないということはありません。
自主性はあったのか?
学習計画を自分で立てられていたかというと、そうではないかもしれません。ただ1ヶ月分のタスクをこなすという感じです。
ただ勉強はやらなければいけないもの、という意識づけがあったため、半分程度は自主的に勉強していたように思いますが、「勉強しなさい」と怒られてやっていた日の方も多かったかもしれません、、、
当時は友達と遊ぶことが人生で最も重要なことでしたが、コツコツと勉強を続けてきたという「積み重ね」が、高校受験や大学受験に活きていたように感じています。
継続は力なり
学力は一朝一夕には身につくものではありません。
「継続は力なり」という言葉がありますが、これは単に「続けると学力が上がる、という意味ではなく、「継続する過程で、学ぶ力が養われる」ということなのだと、医者になった今では実感しています。
これが学習の根本的なところで、これ無くして学力の向上はありません。
私自身、特別に勉強がとてもできたわけではないですが、今こうして医者をできているのは、小学生時代の学びがあったからだと強く思います。
今回の記事がどなたかの役に立てると嬉しいです。
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