前回は胃カメラの略語は国際的にはどう使われているのか?、ということを記事にしました。
すると、妻(薬剤師)から
大腸カメラはどうなの???
と質問されたので、大腸カメラの略語とその使い方についてまとめました。
正式名称は?
正式名が長すぎる、、
まず、前回の胃カメラの記事でも取り上げた論文
“GASTROINTESTINAL ENDOSCOPY Volume 94, No. 6 : 2021”
では胃カメラの”EGD”のような略語は見当たりません。その代わり、以下のような記載があります。
screening colonoscopy: Write in full
スクリーニング(病気があるかどうかを調べること)目的の大腸カメラのこと。
Write in fullとあるので、そのまま書くのが正しいようです。
・・・・
流石に長すぎますよね。
略して書きたいというのが私たち医師です。
カルテにこんなに長い英語書くのは大変です笑
実際の略語は以下が多いです。
CSかCFがよく使われるけど、、?
実際には国内でよく使われる表現は以下の二つです。
CS: ColonoScopy
CF: ColonoFiber
ちなみに、日本消化器内視鏡学会が用語集を出していますが、
こちらを参考にしてみると、ColonoScopy(CS)と書いてあります。
参考→ https://www.jges.net/medical/content/glossary
つまり、colonoscopy と書くのが国際的には正しいようですが、日本国内ではCSと書くのもokだと思われます。
colonoscopyとカルテに打ち込むより、shift + cs と打つだけなので、CSとかいた方が楽に決まってます。
私は今後も大腸カメラのことはCSにしようと思いました。
病院内では実際にどのように使われる?
今まではカルテ上の記載について触れてきましたが、実際の診療の会話においては、”CS”や”CF”ということも多いですが、私の病院ではそれよりも「大腸(カメラ)」や「下部」ということが多いです。
例えば、
「この患者さん、下部でがんが見つかって・・・」
というのは、「大腸カメラをやったら大腸がんがみつかって・・」という意味です。
他に、
大腸みといて!
という上司からの指示は、
「大腸カメラで病気がないか確認しておいて」という意味です。
さらに、発展形としては
「下部後上部」
という表現があります。
さて、どういった意味でしょうか?
正解は、
「大腸カメラのあとに、胃カメラも一緒にやる」
という意味になります。この下部後上部、できる病院とできない病院とがありますのでご注意を。
病院によって表現は異なりますが、これらは概ね消化器内科医の間ではだいたい通じる表現です。
参考までに。笑
結論:CSが正式と考えてok
海外と日本国内とで違いがありそうですが、概ね日本ではCSと表現しておいて問題なさそうです。
ただ、病院によってはそこにいる医師のこだわりにより、CFやその他の呼び名になっている可能性もありますので、ご注意ください。
もしもこの記事が、どなたかの参考になれば幸いです。(なるかな?笑)
おわり
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