医学部進学は医師を志す方にとって、人生の最も大きな分岐点の一つとなることだと思います。
しかし、医学部の学費は一般的に高額であることが多いため、奨学金の利用を検討している方も多いと思います。
奨学金の借り入れは医師になる夢を実現するための手段の一つですが、
将来的な返済計画をきちんと考えてく必要があるでしょう。
とはいっても、具体的なことはなかなかイメージしづらいと思います。
この記事では、私自身が考える奨学金の返済を考える上で注意すべきポイントをご紹介します。
注意:この記事はあくまで私見を含んでいます。ご自身で借り入れ予定の奨学金を提供している団体のサイトで、正確な情報を得るようにお願いします。
返済計画を明確にする
まず、奨学金を受け取る前に「どのように返済していくか?」ということを具体的にイメージすることは大切です。
奨学金の種類によっては、
卒業後の収入に応じて返済額が変わる「所得連動返済制度」や、
返済期間をいったん延期できる「返済猶予制度」
がある場合もあります。
また、卒業後の研修先や勤続年数があらかじめ決まっている
奨学金制度・団体もあります。
よく言えば選択肢に迷うことがありませんが、制約があるともとれますし、
大学によっては数年間の地方勤務が決まっている場合もあります。
自分の将来を考え、無理のない返済スケジュール、
そして借り入れ後の決まり(制約)についてはきちんと知っておく必要があります。
金利や返済条件をしっておく
奨学金には、利息がつくものと無利息のものがあります。
私が借入をした日本学生支援機構では、第一種が利息がなく、第二種が利息があります。
それぞれ借り入れ限度額がありますので、そちらは日本学生支援機構(JASSO)のサイトで確認できます。
借入時に適用される金利(何年ごとに利率見直しがあるか、現在の利率はどうかなど)や、
返済条件を理解し、それが将来的にどれくらいの負担になるのか、イメージしておくことが大事です。
JASSOでは、以下のサイトで返済シミュレーションが可能です。参考にしてみてください。
卒業後の収入:研修先によって変わる
医師は一般的に高収入と言われています。
しかし、それは一般的な話であって、
初期研修医は想定以上に収入が低くなる病院も実際にあります。
特に、昨今の働き方改革によって、研修医の勤務状況が厳しく制限される風潮が強くなっているなとも感じます。
また、医師になって数年後、大学院へ進学する際や勤務先、勤務状況によっては収入が大きく変動する例が実はとても多いです。
特に大学院への進学の際、私の場合は大学からの給料はなかったため、
ほぼアルバイトで生計を立てていく必要がありました。
もちろん、生活に困ることはなかったのですが、財布の紐はある程度固くしておかなければならないと思います。
奨学金の返済が収入に対して過度な負担とならないように、現実的な返済計画を立てることが必要です。
また、もしものときには返済猶予制度を活用することで、必要に応じて返済の開始を遅らせることも可能な場合があります。
ただ、一般的には医師であれば奨学金の返済は滞りなく可能なはずです。
多額の借入をしているというリスクを認識する
奨学金を多額に借りることは、将来的な返済負担が大きくなるリスクがあります。
生活費や学費を賄うための奨学金の借入額は慎重に設定し、
無駄な出費やましてやローンなどは組んだりしない方が良いと思います。
一般的にはここで
「他の収入源としての株式や不動産投資、奨学金以外のアルバイトなどの資金調達手段を考えましょう」
といった提案をする方もいると思いますが、
少なくとも医学生から初期研修医まではきちんと医学に向き合うべきです。
この期間は将来の医師として基礎を築くうえでとても重要だからです。
返済を無理なくできるように、初期臨床研修先や勤務先についてはご自身の進路だけでなく、収入面からもしっかりと検討するのがよいと私は考えています。
勤務先を給料のみで判断するのは避けるべきです。自分の将来のキャリアプランや仕事内容なども含めて総合的に判断する必要があると考えています。
まとめ
医学の道に進むための手段として奨学金を活用する際には、将来の見通しをしっかりと持ちながら、現実的な返済計画を立てることが肝要です。
とはいっても、周りに医師のいない人にとっては、具体的なイメージを膨らませることは難しいと思います。
このブログで私自身の返済記録として、奨学金に関する実体験をもとにした記事もありますので、参考になればとても嬉しいです。
おわり
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