マイクロプラスチックは心血管病や脳梗塞リスクになるかもという衝撃

マイクロプラスチックは廃棄されたプラスチック製品が海の中へ溶け出して徐々に分解されて5mm以下になったものをマイクロプラスチック、さらに細かく分解されたものを「ナノプラスチック」といわれています。

(以下、マイクロプラスチックとナノプラスチックを合わせてMNPs)

歯磨き粉や洗顔料に含まれているスクラブもその一種といわれていて、マイクロプラスチックには様々な有害物質が含まれているとされます。

今までは海洋生物がマイクロプラスチックを取り込んでしまうことで、徐々に体内に蓄積することで悪影響を及ぼす、ということが言われてきましたが、人体への影響についてはあまり知られていませんでした。

しかし、今回の研究でついに人体にも悪影響を与えうることが証明されました。

最も有名な医学雑誌のひとつ、”New England Journal of Medicine”に今年掲載された、”Microplastics and Nanoplastics in Atheromas and Cardiovascular Events”という報告です。 (DOI: 10.1056/NEJMoa2309822)

頸動脈プラークという、人の首にある動脈のコレステロールの塊を採取し、その成分を調べています。

対象は257人で、150人(58.4%)の頸動脈プラークからMNPsが検出されました。31人(12.1%)の人では、ポリ塩化ビニルが検出されています。

結果として、MNPsが含まれている人は、そうでない人に比べて約3年間の経過観察期間で、

脳梗塞、心筋梗塞などによる死亡リスクが約4.5倍に上昇することがわかりました。

今回の研究では「MNPsが頸動脈のプラーク中に多ければ脳梗塞や心筋梗塞などによる死亡リスクが高い」ということを述べており、人体へ悪影響があるということを断定するものではないことに注意が必要です。

しかし、海洋生物だけではなく、

私たち人間の体内にもMNPsが徐々に体内に蓄積する時代に入っ

ということは今回初めて知った事実で衝撃的です。

今回のメカニズムに関するさらなる研究に加えて

がんとの関連、

MNPsが含まれにくいものの見分け方、

体内に蓄積されていくメカニズムなど、

様々な研究が出てくると思うので(知らないだけで既ににあると思いますが汗)、要チェックな領域です。

しかし現代において、プラスチックなしの生活は不可能です。スマホ、パソコン、メガネ、etc

身の回りのほぼ全ての物にプラスチックは使われています。

そのため、人体への影響だけでなく、マイクロプラスチックの回収法、マイクロプラスチックを出にくくする製品の開発などが急務で、少し検索しただけでも結構みつかります。

そういった研究に関して、今後も注目していこうと思います。

環境問題はわたしたちの健康と、やはり切っても切り離せない問題なのだと、痛感しました。

おわり

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