今回の論文↓
Cao X, et al. On male urination and related environmental disease transmission in restrooms: From the perspectives of fluid dynamics. Sustain Cities Soc. 2022 May;80:103753.
「立ちションか、座りションか?」
この永遠ともいえる議論について、
このブログを通して勉強し、
自分の小便スタイルをエビデンスをもとに確立していこうと思っています。
結論と感想
この論文は2022年のものであり、コロナ真っただ中でした。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がトイレや下水でも感染しうるのではないか、という研究が盛んにおこなわれていた時代です。
立位排尿について面白い論文あったので感想。
結論としては
①立ちションでウイルス粒子が拡散される
②ホテルで便器の上にバスタオルなどを置く棚があるが、それも感染源になるので対応したほうがいい
というメッセージでした。
①についてはさらに、
だいたい空気中には50秒ほどウイルスが舞い上がっていること、
しかも1.55mくらいまで到達すること
が記載されていました。
ただ、
「便器の中の水に直接おしっこを出すのか、それとも水の溜まっていない部分に出せばいいのか?」
といった内容には触れていない点、また、
「洋式トイレに限定した検討であった」
という点が課題だと思います。
上記2点について、またさらに論文探してみようと思います。
専門外の論文もおもしろいです。
研究者のみなさん、新たな知見をくれてありがとうございました。
アブスト内容 (一部意訳ありますので注意)
屋内におけるCOVID-19感染は十分に起こりうる。多くの情報源から、SARS-CoV-2がトイレ内で同定されており、トイレ内でのウイルス感染の可能性がある。
しかしトイレ内の感染経路、メカニズムについては不明な点も多く、その理解が下水を介したSARS-CoV-2の感染を抑制し、さらには世界中のパンデミック終息に寄与するかもしれない。
過去の報告では咳、くしゃみ、トイレを流すときなどの単純な日常生活動作が、ウイルス伝播にどのようにかかわているのか、という点について触れていた。
この報告では男性の「立ちション」による、ウイルス粒子が拡散される挙動について検討を行った。
男性の尿は乱流を形成し、液面との衝突速度は平均で2.3m/sだった。その後、粒子は0.75-1.05m/sほどの速度で空気中に舞い上がる。SARS-CoV-2に限らず、様々なウイルスが拡散されうる。
また、空気中に広がる粒子は3倍ほどでだった。
この結果から得られる内容としては、トイレにおけるウイルス拡散の予防策を広く一般に周知、普及されることで、COVID-19の終息に寄与するであろう。
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