医学部受験を考えている方や、既に奨学金を利用して医学部に通っている方へ。
このブログでは、私が医師8年目にして、日本学生支援機構の第二種奨学金を完済した経験についてお話しします。
「奨学金の返済は本当に大丈夫なの?」
「医師になった後、多額の奨学金(=借金)を背負っても後悔しない?」
こうした疑問を持つ方に向けて、実際の返済の状況やその時の心境を包み隠さずお伝えします。この記事が、医学部進学を考える方や、奨学金返済に不安を感じている方の参考になれば幸いです。
本記事はあくまで私個人の体験談です。現在の返済利率や借入条件によって、返済計画は異なりますので、各自でしっかりと返済計画を立てることをお勧めします。
借入額とその返済計画
まず、私が借りた奨学金の総額は、第二種奨学金の上限である1,152万円です。
月額16万円を6年間にわたって借り入れました。
26歳の時、卒業と同時に
借金 1152万円を背負ったということです。
卒業後から毎月約 4万5,000円前後を240回に分けて返済する予定でした。
このペースでは完済するのは46歳、つまり2036年になる計算です。
(利率算定は見直し方式をとっていたので、支払額は徐々に変動あり)
この返済額が、私が研修医としてスタートを切った瞬間から始まったのです。
医師としての医療への情熱や責任感やプレッシャーと同時に、膨大な借金の返済という現実が私に重くのしかかりました。
返済初期の心境
研修医として働き始めた頃、奨学金返済のために月々4万5千円が口座から引き落とされるたびに、
「もしこのお金があれば…」
という考えが頭をよぎりました。
友人や彼女(今の妻)と過ごす時間に使えたら、もっと自由に楽しめるのに、という気持ちがあったのです。
奨学金は確かに自己投資であり、医師になるための手段でしたが、返済の現実は甘くありませんでした。
それでも、これが結果として「医師としてどうあるべきか」を考えるきっかけとなったのです。
奨学金返済が与えた影響
奨学金返済は、私にとって単なる経済的な負担ではなく、医師としての生き方や価値観に影響を与えたと感じています。
患者さんに対する責任感や、医療に対する姿勢を考える契機となっていました。
もちろん研修医や大学の同期と遊んだりもしましたが、奨学金の返済という金銭的な制約があったことで、なるべくお金を使わないようにしていたのも事実です。
そんななかで、特に研修医の同期とは患者さんに関するディスカッションをしたり、自分たちが学んだことを教えあったり、また、自分があるべき医師像をどうするべきかということをよく話していました。
楽しいことだけではなくて、医療に対して自分なりに深く考える時間が作れたなと感じています。
そしてそうする中で、医師としての自覚が深まったということです。研修医時代の同期とは苦楽を共にしたためか、今でも関わりがあります。
もちろん、奨学金がなくてもこの道を歩んだかもしれませんが、返済という現実が医療に対する姿勢をより真剣にさせたのは間違いありません。
結論
奨学金返済は決して簡単ではありません。しかし、それを経験することで、医師としての責任感や覚悟が強まることも事実です。
これから医学部を目指す方、奨学金返済に不安を抱えている方へ、どうか自分の道を信じて進んでください。挑戦することで自分の成長につながるはずです。
奨学金返済日記②につづく
コメント