医師を志した理由:幼少期からの夢
医師を志した理由はただ一つ、「病院にいた先生がカッコよく見えたから」です。
何かすごく高い志があったからというわけではなく、よくあるきっかけだったと思います。
私は小さい時からよく風邪をひく子供で、骨折や靭帯損傷などの怪我もよくしていました。
また、肺炎などで入院したこともあり、病院へは比較的よくお世話になっていました。
そこで診察をして病気をよくしてくれるお医者さんや看護師さんたちは優しく、カッコよかったです。
そうして子供ながらに「将来はこういう大人になりたいな」と思うようになっていきました。
自分自身はあまり覚えていなかったのですが、幼稚園の七夕のイベントで短冊に
「しょうらいはおいしゃさんになりたいです。」
と書いていたほど、どうやら医師という仕事に憧れていたようです。
自分で言うのも変ですが、かわいいですよね。笑
ちなみに、この短冊にこの後私自身が救われることになります。
大学受験に失敗し浪人生活へ
医師になりたい気持ちは高校生になっても変わらず、大学受験で医学部を受験させてもらいました。
が、私は勉強の要領が悪く、現役時代の大学受験は失敗に終わりました。
幸いなことに、1回だけ浪人生活を許してもらえたため、予備校へ通うことになりました。
医師になるには残り1回しか受験のチャンスがなかったため、だいぶ当時は切羽詰まっていました。
ただ、予備校には周りにも医学部を受験する同級生がいたこともあり、互いに支え合ってなんとか勉強を続けることができていたのですが、、、
人生の転帰
浪人生活の9月頃だったと思いますが、全国模試で志望した医学部は全て、E判定の結果でした。
担任の先生からも
このままだと医学部は難しいよ、、、
の一言。
浪人はできても金銭的に1年間のみ、と両親から言われていましたので、正直気持ちが折れてしまいそうでした。
すっかり弱気になってしまったので、
もう医学部は諦めて、他の理系学部に進学しようと思う、、、
両親に伝えたところ、幼稚園の時に書いた短冊を渡されました。
それが「しょうらいはおいしゃさんになりたいです。」と書かれていた短冊です。
それを見て、
ここで諦めてしまったら、幼いときの自分に顔向けできない!
最後までできることをやって、悔いのない受験にしなければ!
と奮い立ったのを覚えています。
こんな日に備えて両親は短冊を保管し、そしてこの時に私にそれを見せてくれたのです。
親にはもう感謝しかないです。その後は今まで以上に勉強しました。
だいたい朝6時から夜の10時まで、食事とお風呂以外の時間は全て勉強に全力で打ち込みました。
そうして無事に1浪の末に私立大学医学部へなんとか進学できたのでした。
合格通知が来た時には両親が涙を流して喜んでくれたことを、今でも覚えています。
医学部合格だけでなく、将来の誰のための勉強かを考える
浪人生活のとき、大きなプレッシャーの中でも最後の学力の底上げに繋がったもう一つの理由は、
今の勉強は、将来の誰の役にたつのか?
と考えていたことが重要だったように感じています。
医学部受験は大学に合格したら終わりではなく、医師になるためのあくまで通過点です。
もちろん、医学部受験は倍率が高く難しいですし、全員が医師になれるわけでもありません。
ただ、私が全力で勉強に打ち込めたのは、
「この勉強は、いつか出会う患者さんを助けるためにやっている」
ということを考えられたからでした。
もちろん、医師として仕事をしている今、物理や数学などの受験時代の知識はほとんど使いません。
しかし、「いつか病気で困っている患者さんを助けてあげられる人になりたい」という医師への憧れの気持ちを持っていたことで、
「受験勉強それ自体が目的ではなく、大学に合格し、そして医師になって患者さんの病気をよくするために、今の受験勉強がある」と気づけました。
つまり、受験のゴールそのものを、もう少し先のことに設定してみることで、よりモチベーションが保ちやすくなったのです。
サラリーマン家庭出身者であっても奨学金を使ってまで医学部受験をすべき人
今回の私の経験から導かれる結論になってしまいますが、
私のような一般家庭出身者で、奨学金を使ってでも医学部受験をするべき人というのは、
「医師になろうとする気持ちがある人」
だと多います。
医学部受験を志す理由は人によって様々だと思います。
・小さい時から医者になりたかった
・両親が医者だったから
・困っている患者さんをたくさん助けたい
・自分自身が病気をして、医師に助けられたから
・お金を稼ぎたいから
などなど、、、
どんな理由であれ、医師になるという目標があるならば、受験にはトライすべきです。
ただ、本人の学力だけでなく、家庭の経済状況を客観的に判断するという点には注意が必要です。
残念ながら、医学部へ通学するためには多額の費用がかかります。
もしも通学中に学費の支払いが困難になってしまうと、除籍処分(=退学)となってしまうこともあります。
厳しいことをいいますが、卒業するまでの資金計画がたてられないのであれば、医学部受験はするべきではありません。
資金計画については、各大学の学費、各種利用可能な奨学金、生活費を含めて、FPさんに相談するのも良いでしょう。
なお、医師になってからはそれなりの収入が見込めます。奨学金の返済に困ることはないはずです。
以下の記事で、私自身の具体的な返済の状況について記事にしていますので、もしよければご覧ください。
医学部受験でもうひとつ重要なこと:健康
受験勉強に燃え尽きたり、心を病んでしまうのはご本人や親御さんのためにもよくありません。
そんな兆候があれば、絶対に無理はしてはいけません。
医学部に合格するだけが人生ではありません。
医学部以外の進路や、何回までなら浪人を許容するのか、きちんと考えておく必要があります。
医学部であれば、1-2浪して入学する人が半数以上を占めています。
ただ、3浪以上すると合格率がガクッと下がると言われていますし、もしも医学部受験を諦めたと場合、医学部以外の一般大学への進学や、一般企業への就職には多浪生は圧倒的に不利になります。
どんなに多くとも、2浪までにしておいた方がいい、というのが私の周りにいる友人の意見として一般的でした。
さいごに
人によって受験のモチベーションは異なりますが、医学部受験ほど、将来の職業が決まっていて、誰のために働くことになるのかが明確な学部はないと思います。
勉強のモチベーションがあがらない受験生の方で、もしも気になれば今回ご紹介したような意識をもって、受験勉強を頑張ってみてください。
この記事を見てくれた方と一緒に、いつか働けるのを楽しみにしています。
奨学金返済日記①へつづく
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