配当金を目的とした高配当株式投資を始めるにあたり、
知っておくべき最低限の指標について、初心者投資家なりにまとめてみました。
これから投資を始める人の参考になれば幸いです。
この記事で書いてあること
配当利回り = (配当金) ÷ 投資額 (%) → 高配当株投資において最も重要
一株あたりの利益(EPS) = (企業の純利益) ÷ (発行株式の数) →企業が利益を上げていけそうかどうかを判断
配当性向 = (1株あたりの配当額) ÷ (1株あたりの純利益) ×100% →配当金を無理して出していないか?
株価収益率(PER) = (株価) ÷ (1株当たり純利益(=EPS)) → 株購入の際、割安か割高かの判断
配当利回り:3-5%が一般的
まず、高配当株投資を私は目的としているので、配当利回りは重要です。簡単にいうと、
配当利回り = (もらえる配当金) ÷ (投資額) (%)
おおよその目安ですが、配当利回り3.0%(税引き前)以上 が高配当株に分類されます。
国内株の場合、20.315%の税率がかかるため、この場合は税引き後は2.39%程度になります。
3%といわれても、ピンとこないと思います。
利回りの%ごとの雰囲気は?!
3% → これからも成長が期待できるなら、投資しようかな
4% → 結構高いな、気になっちゃう!
5% → めちゃくちゃ高い、こういうの待ってました!けど何かあるのかな、、?
6%以上 → 記念配当トラップなのでは、、、?要警戒?
という印象でよいでしょう。
例えば、A社の株を1株100円で購入し、配当金が5円だったとします。
そうすると、
配当利回り=5÷100=5%
→税引き後の配当利回り=3.98円
100株購入したとすれば、398円が配当金として振り込まれるわけです。
ちなみに、記念配当トラップがあります。
創業何周年記念とか、普段の配当金の何倍もの配当を出すことで、一時的に利回りが大幅に増加する現象です。
大抵は次回の配当から大幅に配当金は減ります(=減配)ので、要注意!
必ず、利回りは数年間の推移も含めてチェックするようにしておきましょう。
EPS(Earnings Per Share):一株あたり純利益
EPSは、企業の純利益(収益からすべての経費や税金などを引いた、純粋な利益のこと)を、
発行済株式数(世に売りに出されている株の数)で割った数値です。
つまり、1株あたりの利益はどのくらいか、会社がどのくらい効率的に稼いでいるのかということの指標ということです。
先ほどのA社は1株100円でしたが、そのEPSが15円だったとします。
そうすると、A社は1株あたり15%のリターンを生み出しているということになります。
このEPSと次に書いてある配当性向、PERは関連しています。
次は配当性向についてです。
配当性向:一般に70%を超えてくると注意が必要
配当性向は、「無理をして配当金を出していないか?」ということを知る上で重要な指標です。
つまり、「配当金が減る、減配リスク」があるのかどうか、判断する材料になります。
一般的には70%を超えると要注意ともいわれています。
配当性向 = (1株あたりの配当額) ÷ (1株あたりの純利益=EPS) ×100%
例えば
株価100円のA社が配当金3円、EPS 15円
株価100円のB社は配当金12円、EPS15円とします。
配当金 | EPS | 配当性向 | |
A社 (株価100円) | 3円 | 15円 | 20% |
B社 (株価100円) | 12円 | 15円 | 80% |
その場合、配当性向はそれぞれ A社:20%、B社:80%
となります。A社は余力を残して配当金を出しており、むしろ来年も上がるかも?と期待できます。
一方で、B社は結構無理をしてい配当をだしている(70%を超えている)ため、近いうちに下がるかもしれません。
このように、配当利回りだけでなく、配当性向も考えることが重要です。
PER:Price Earnings Ratio (株価収益率)
さいごに、PERです。
PER= (株価) ÷ (1株当たり純利益(またはEPS)) 単位:倍
で表される指標で、
「株価が1株あたりの利益の何倍か?」を示しています。
例えば、A社(1株100円、EPS 15円) とC社(1株300円、EPS 15円)の2社を比較します。
PERは A社は6.7倍、C社は20倍となります。
一般的に15倍前後が適正で、10倍を切ると割安(買い時)、20倍を超えると割高(買い時ではなさそう)と考えることで、投資判断の材料になります。
つまり、
本当はもっと株価は高くなっていてもいい(今後高くなりそう)のに、
今はまだ安いかも?
という判断ができるということです。
また、PERで投資するかを判断するのではなく、2つの大事なポイントがあります。
① 同じ会社の以前のPERの動きと比較する
→ その会社の数年間のPERの推移と比べて、今が割高になっているのか割安になっているのか?
② 同業他社のPERと比較する
→ 同じような企業展開をしていて、かつ同様の利益を上げていた場合、A社8倍、C社20倍であれば、A社の方が割安、つまり買い時なのかもしれないということです。しかし、本当にそうなのでしょうか?以下はよくある疑問だと思います。
Q : PERは高いと買わない方がいいの?
A : そうとも限りません。その企業が今後も成長すると期待される場合には、多くの投資家が株式を購入することになります。そうすると、株価が上昇し、結果としてPERも上がります。その場合、将来性に期待して購入するという投資判断をすることもあります。
さいごに
今回は株式投資の指標になる項目、4つについてご紹介してきました。
これはあくまで投資判断の材料の一つですので、ご注意ください。
高配当株投資を行う上では、
最終的にはその企業が魅力的な(もしくは社会に必要とされる)製品やサービスを今後も提供し続けていくのかなど、
他の視点も必要になってきます。
少しずつ勉強しながら、一緒に個別株投資について理解を深めていきましょう!
投資判断は自己責任です。無理のない投資ライフを楽しみましょう!
おわり
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